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2021年3月11日木曜日

3年生の去った教室には・・・

  3月11日(木)、無事に卒業証書授与式が終了しました。3年生が去った後の教室の黒板には、担任や生徒からのメッセージが残っています。また、廊下の壁面には、生徒が描いてくれた黒板アートも残されています。明日以降、3年生が登校しないと思うと、寂しさも募りますが、卒業生が新たなステージでそれぞれ活躍してくれることを願うばかりです。






令和2年度 卒業証書授与式

3月11日(木)令和2年度卒業証書授与式が挙行されました。卒業生は、9年間の義務教育の課程を終え、愛川中学校で過ごした3年間を思い出し、それぞれ感謝の気持ちや新たな希望を持って式に臨みました。

式 辞

校庭の桜は、世の人間がコロナ禍で四苦八苦していることを知ってか知らずか、今この時も、咲く時を心待ちにして、着実に蕾を膨らませています。こうした春の本格的な訪れを間近に控えた今日、第七十四回卒業証書授与式を迎えることができました。しかしながら、今年も来賓の方々や在校生が不在での式となってしまい、大変悔しく、また申し訳ない気持ちでいっぱいです。 

さて、八十六名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。ただいま、皆さん一人一人に授与しました卒業証書は、皆さん一人一人が愛川中学校での3年間を懸命に生きてきたことの証です。特に、コロナ禍で誰しもが先行きの見えない不安や悩みを抱えていたこの一年。皆さんにとっても、三年生としてのプライドを存分に表現できる体育大会や文化発表会、部活動の最後の大会やコンクールなどが軒並み中止や縮小しての実施となるなど、誰もがうつむき加減になって当たり前の状況が多くありました。しかし、そういった状況であっても皆さんは、決して自分らしさを見失うことなく、互いに認め合い、励まし合う、明るく、そしてあたたかい愛中らしい雰囲気を守ってくれました。大げさではなく、皆さんのおかげで学校は救われました。本当にありがとうございました。この本校の誇りである皆さんに「はなむけの言葉」を贈ります。 

夢と希望と志を持って、歩んでいきましょう。

夢を持ちましょう!大きくても小さくても結構です、その夢を人に積極的に語りましょう。そして、どうすればその夢が実現できるかを考え、できるところから行動に移してみましょう。

希望を持ちましょう!希望が持てると、人は間違いなく前向きになれます。自分の可能性を信じて前向きに変わろうとする信念を持つことです。

志を持ちましょう!人は、志がはっきりすると覚悟ができます。覚悟ができた時、人は、必ず強くなれます。 

話は変わりますが、皆さんもよくご存じのパナソニックという会社の創業者である松下幸之助さんは、次のような言葉を残しています。「人と比較して劣っているといっても、決して恥じることはない。けれども昨年の自分と今年の自分を比較して、もし今年の自分が劣っているとしたら、それこそ恥じるべきである。」 

人は、集団で生活している以上、どうしても自分と他人との違いを気にします。時には、自分のほうが劣っていると悔しい思いをすることもあるでしょう。しかし、本当に比べるべきは、他人ではなく今の自分自身とこれまでの自分自身だということです。

来月から始まる新たな世界での学び、様々な人との出会いとつながり、進路選択にあたり、自分自身とじっくり向き合う経験、それらを上手に結び付けて自己実現につなげていってください。大切なことは、夢や希望や志をもって、皆さん自身が決めることです。皆さん一人一人がもつ素敵な持ち味を武器に、皆さんが元気に笑顔で様々な分野で活躍することを心から願っています。

保護者の皆様、本日はお子様のご卒業誠におめでとうございます。中学3年間を通して、人として大きく成長したお子様の姿を目の当たりにして感慨もひとしおのことと存じます。ここまでの3年間、本校教職員一同、お子様の健やかな成長を目指して、微力ながら取り組んでまいりました。

ここまで至らぬ点も多々あったこととは存じますが、皆様方の本校教育活動に対するご理解と多大なるご支援により、今日の日を無事に迎えることができました。大変ありがとうございました。

お子様は、今後ますます自立への歩みを進めます。お子様を信じて、時には厳しく。時には優しく手を差し伸べてあげてください。 

それでは、最後になりますが、7年ほど前、本校でもご講演をいただいた腰塚勇人さんという方の「人を幸せにするための5つの誓い」を紹介して、私の式辞とします。

腰塚さんは私たちと同じ神奈川県内の公立中学校の教員でした。あるとき、不慮の事故で「首の骨」を折ってしまいます。奇跡的に一命は取り止めたものの、首から下がまったく動かなくなってしまいます。自殺をはかるなど絶望の淵に立たされたこともありましたが、ご家族をはじめとする周囲の応援と励ましを受け、四ヶ月後「「下半身の麻痺」など、身体に障がいを残しながらも、奇跡的に学校現場に復帰し、中学三年生の担任を最後まで務められたそうです。現在は、そうした自らの経験をもとに、「命の授業」の講演家として、「命の尊さ」「生きていることの素晴らしさ」など伝える活動をされています。それでは、ご紹介します。 

「人を幸せにするための5つの誓い」

一、口は、人を励ます言葉や感謝の気持ちをいうために使おう

一、目は、人の好い所を見るために使おう

一、耳は、人の言葉を最後まで聴いてあげるために使おう

一、手足は、人を助けるために使おう

一、心は、人の痛みがわかるために使おう

以上です。令和三年三月十一日

愛川町立愛川中学校長 河合良卓]